第1 労働組合とは
労働組合法上の「労働組合」とは、①労働者が主体となって、②自主的に、③労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として、④組織する団体または連合団体のことをいいます。
取締役が参加するものや、使用者から資金面等において援助を受けるものは法的な「労働組合」とはいえません。また、法的に「労働組合」として認められるためには、⑤労働組合の民主的な運営を確保するために法定された事項を記載した規約を作成することも必要です。
労働組合は、経済的に弱い立場になりやすい労働者と使用者の対等な交渉を可能にするとともに、集団的な交渉を通じて労働者や使用者に利益をもたらすという点でたいへん重要な役割を担っています。使用者に対してもたらす利益としては、賃金制度や労働時間制度、労働環境など多数の労働者に共通する条件について、各労働者と個別に交渉するよりも多数の労働者との間で一挙に解決したほうが効率的となることがあげられます。
労働組合では、代表的なものの類型として産業別組合と企業別組合があります。
産業別組合は、同一産業内の労働者を、企業の枠を超えて組織するものです。具体例としては、自動車総連や、UAゼンセンなどがあげられます。
一方、企業別組合は、企業または事業場単位で企業の従業員である労働者を職種とは無関係に組織する組合です。企業別組合がわが国では主要な組織形態です。
このような労働組合について、組合数や組織率、産業別の状況、企業規模別の状況などについて、令和7年6月30日現在の状況を厚生労働省により調査がなされていますので、その調査の内容について以下お知らせします。
第2 結果の概要
1 労働組合及び労働組合員の状況
令和7(2025)年6月 30 日現在における単一労働組合の労働組合数は22,244 組合、労働組合員数は992 万 7 千人で、前年に比べて労働組合数は 268 組合(1.2%)の減少、労働組合員数は 1 万 5 千人(0.2%)の増加となっています。
また、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は16.0%で、前年より0.1 ポイントの低下となっています。
女性の労働組合員数は 354 万 5 千人で、前年に比べ 4 万人(1.1%)の増加、推定組織率(女性雇用者数に占める女性の労働組合員数の割合)は12.3%で、前年より0.1 ポイントの低下となっています。(第1表、第1図)


2 パートタイム労働者の状況
令和7(2025)年6月30 日現在のパートタイム労働者の労働組合員数(単位労働組合)は149 万4千人となっており、前年に比べて 3 万 1 千人(2.1%)の増加、全労働組合員数に占める割合は 15.1%で、前年より 0.2 ポイントの上昇となっています。
また、推定組織率(第2表 注 3)参照)は 8.8%で、前年と同水準となっています。(第2表)

3 産業別の状況
令和7(2025)年6月30日現在の労働組合員数(単位労働組合)を産業別にみると、「製造業」が261 万 4 千人(全体の 26.5%)と最も多く、次いで、「卸売業、小売業」の 157 万 4 千人(同 16.0%)、「建設業」の 83 万 5 千人(同 8.5%)などとなっています。
対前年差をみると、増加幅が大きかった産業は、「宿泊業、飲食サービス業」4 万 1 千人 (対前年増減率11.0%)の増加、「卸売業、小売業」1 万5 千人(同0.9%)の増加などであり、減少幅が大きかった産業は、「教育、学習支援業」2 万人(同 4.9%)の減少、「公務(他に分類されるものを除く)」1 万 7 千人(同 2.4%)の減少などとなっています。(第3表)

4 企業規模別(民営企業)の状況
令和7(2025)年6月 30 日現在の民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は 874 万 2千人で、前年に比べて 4 万 7 千人(0.5%)の増加となっています。
これを企業規模別にみると、1,000 人以上規模が 596 万 7 千人(全体の 68.3%)と6割以上を占め、300~999 人規模が 106 万 8 千人(同 12.2%)、100~299 人規模が 52 万 6 千人(同 6.0%)などとなっています。(第4表)

5 主要団体への加盟状況
主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している令和7(2025)年6月 30 日現在の労働組合員数(単一労働組合)をみると、連合(日本労働組合総連合会)が 682 万 2 千人(前年に比べて 1 万人の増)、全労連(全国労働組合総連合)が 43 万 5 千人(同 1 万 6 千人の減)、全労協(全国労働組合連絡協議会)が 6 万 7 千人(同 5 千人の減)、金属労協(全日本金属産業労働組合協議会)が 201 万 1 千人(同 6 千人の増)、インダストリオール・JAF(インダストリオール日本化学エネルギー労働組合協議会)が 43 万 5 千人(同 3 千人の増)、交運労協(全日本交通運輸産業労働組合協議会)が 56 万 5 千人(同 2 千人の減)、公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)が 96 万 7 千人(同 2 万 8 千人の減)となっています。
また、都道府県単位の地方組織のみに加盟している、いわゆる地方直加盟の労働組合員数を合わせて集計した労働組合員数は、連合が 692 万 4 千人(前年に比べて 7 千人の増)、全労連が 64 万 9 千人(同 1 万 9 千人の減)、全労協が 7 万 7 千人(同 5 千人の減)となっています。(第5表)

第3 用語の定義
1 労働組合 労働組合とは、労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体及びその連合団体をいいます。
2 単位組織組合、単一組織組合
(1)単位組織組合とは、規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部、分会等)を持たない労働組合をいいます。
(2)単一組織組合とは、規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部、分会等)を有する労働組合をいいます。なお、このうち最下部の組織を「単位扱組合」、最上部の組織を「本部組合」といいます。
3 単位労働組合、単一労働組合
(1)単位労働組合とは、「単位組織組合」及び単一組織組合の下部組織である「単位扱組合」をいいます。
(2)単一労働組合とは、「単位組織組合」及び「単一組織組合」をいいます。
4 統計表の種類
(1)「単位労働組合」に関する統計表
単位組織組合と単位扱組合をそれぞれ1組合として、下記①の計算式により集計した結果表であり、産業、企業規模及び適用法規別にみる場合等に用いるものです。
(2)「単一労働組合」に関する統計表
単位組織組合と単一組織組合をそれぞれ1組合として、下記②の計算式により集計した結果表であり、全体の労働組合員数をみる場合に用いるものです。
なお、単一労働組合の組合員数は、独自の活動組織をもたない労働組合員(非独立組合員)を含めて集計しているため、単位労働組合の組合員数より多くなっています。(下図参照)

① 単位労働組合に関する計算式労働組合数 = 5組合(X,A,B,C,D)
労働組合員数=(x)+(a)+(b)+(c)+(d)
② 単一労働組合に関する計算式労働組合数 = 2組合(X,Y)
労働組合員数=(x)+(a)+(b)+(c)+(d)+(z)
5 推定組織率
推定組織率とは、雇用者数に占める労働組合員数の割合をいい、本調査で得られた労働組合員数を、総務省統計局が実施している「労働力調査」の雇用者数(6月分の原数値)で除して計算しています。
第4 調査の概要
1 調査の目的
この調査は、労働組合、労働組合員の産業、企業規模及び加盟上部組合別の分布等、労働組合組織の実態を明らかにすることを目的としています。
2 調査の範囲
(1)地域的範囲
全国
(2)属性的範囲
全ての産業の労働組合とする(国家公務員法又は地方公務員法に規定する職員団体を含む)。
3 主な調査事項
(1)労働組合の種類
(2)存廃等区分、新設又は解散等の理由
(3)適用法規
(4)労働組合事務所の所在地
(5)労働組合員数
(6)組合本部及び直上組合の名称、所在地
(7)企業規模
(8)加盟上部組合の系統
4 調査時期
令和7(2025)年6月30日現在の状況について同年7月に調査が実施されました。
5 調査の方法
都道府県労政主管課又は労政主管事務所の職員が、労働組合に対して、調査票を直接又は郵送により配布・回収されました。なお、インターネットを利用したオンライン報告方式が併用されました。
6 調査系統
厚生労働省 - 都道府県労政主管課 - (都道府県労政主管事務所) - 労働組合
第5 利用上の注意
- 統計表に用いている符号は次のとおりです。
「0」及び「0.0」は、該当数値があるが四捨五入の結果、表章単位に満たないものを示す。
ただし、対前年差(比)を算出する際に+あるいは-になったものは「+0」、「-0」、「+0.0」又は「-0.0」とした。
「…」 は、該当数値が不明又は表章することが不適当なものを示す。 - 統計表等の数値は、表章単位未満を四捨五入しており、内訳の和が計の数値に合わないことがあります。
- 労働組合員数の数値は千人未満の単位を四捨五入しているが、対前年差(比)、構成比及び推定組織率は人単位の労働組合員数を用いて算出されています。
- 推定組織率の計算に用いている「労働力調査」(総務省統計局)の雇用者数について
「労働力調査」は、昭和57年から5年ごとに、結果を算出するための基礎となる人口(ベンチマーク人口)を最新の国勢調査結果を基準とする推計人口へ切り替えており(最新では令和4年1月結果から切替え)、それに伴う変動が生じますが、本調査の推定組織率の計算に当たっては、上記の変動を考慮した遡及値及び補間補正値は用いられていません。 - 平成28年までは、船員法第一条に規定する船員の結成する労働組合について、国土交通省海事局船員政策課が行った調査結果も含めて集計が行われました。
- 平成23年の雇用者数及び推定組織率は、平成24年4月に総務省統計局から公表された「労働力調査における東日本大震災に伴う補完推計」の平成23年6月分の推計値及びその数値を用いて計算した値です。時系列比較の際は注意を要します。


コメント