5.労働組合との団体交渉

労働組合との団体交渉

円満解決に向けた交渉

労働組合との交渉のポイントは、次のとおりです。

①労働組合の過大な要求には応じない。

労働組合は、法律上正当な要求をしてくる場合もあれば、過大な要求をしてくる場合があります。会社(法人)が法的義務を負っていないにもかかわらず、あたかも義務があるかのような主張をしてくる場合もあります。

労働組合の要求を法的観点及び実務的観点から分析した上で、どこまで応じるかを判断し、交渉していくことが必要です。

②労働組合と闘うと同時に、組合の信頼を得る

「闘う。」という視点と、「信頼を得る。」という視点は、一見すると矛盾するようですが、いずれも、重要な視点です。

③終着駅を探る

労働組合と徹底的に闘うというのも、1つの方法です。ただ、紛争を長期化させるよりも、どこかで妥協点を見出し、解決した方が、会社(法人)と労働組合(組合員を含む)にとって、プラスになると思います。

資料の提示

合意の文書化

労働組合から文書化要求が行われることは、多いです。例えば、

①議事録確認に応じよ

②覚書を作成したので、押印せよ

③団体交渉での合意内容を書面化したので、サインせよ

といった要求です。

「議事録だから、いいだろう。」とか、「覚書だから、後で変更すればよい。」といった考えは、危険です。

文書の名称が何であれ、労働協約と判断されるリスクがあります。上記の要求を受けたら、

(1)文書化に応じる義務があるか、

(2)文書化に応じる義務があるとしても、その文書内容で問題がないか、

を専門家にチェックしてもらってください。

♯なお、上記(1)文書化に応じる義務があるか、は団体交渉の内容も影響してくるので、可能であれば、団体交渉の準備段階と団体交渉の現場において、専門家の助言を得ておくと良いです。

団体交渉の回数

団体交渉ルールの変更

団体交渉の打ち切り

同じ議題について、何度も同じ議論が繰り返され、団体交渉を続ける意味がない場合、会社(法人)としては、団体交渉の打ち切りを検討することになります。

では、何回くらい、同じ議題についての同じ議論が繰り返されれば、団体交渉を打ち切って良いのでしょうか。

この判断は、おそらく、労働法の専門家でも議論が分かれると思います。理由は、決まったルールがあるわけではなく、交渉議題や交渉内容その他の事情を総合的に勘案して判断されるからです。

この判断を誤り、法的義務があるにもかかわらず、交渉を打ち切った場合、不当労働行為となるリスクがありますので、外部専門家からの助言を受け、そのリスクを踏まえつつ、最終的には、会社(法人)が判断していくことになります。

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Q5-1.合同労組(外部ユニオン)から、団体交渉申入書が届きました。どのような流れで進んでいきますか。

A.

団体交渉は、以下のような流れで進行するのが一般的です。

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Q5-2.初回の団体交渉は、どのような流れで進んでいきますか。

初回の団体交渉の進行A.

初回の団体交渉は、通常、以下の順で進行することが一般的です。

① 労使双方の出席者の紹介
② 組合側からの団体交渉事項の説明
③ 使用者側からの回答
④ 質疑応答
実務対応組合側の出席者が多数の場合、それぞれが発言することによって、論点が拡散することがあり、この場合、どのように議論を整理するかが問題となるケースがあります。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-3.使用者側の交渉担当者はどのような者が想定されますか。

使用者側の交渉担当者使用者側の交渉担当者は、団体交渉を行う権限を有する者である必要があります。例えば、企業における代表者(個人事業主、法人役員)が、これにあたります。代表者以外の者であっても、人事部長や工場長、支店長は、内部規程などにより、団体交渉を行う権限が付与されていれば、交渉担当者となり得ます。
実務対応団体交渉を行う権限が付与されていない会社担当者しか出席していない場合、実質的な団体交渉ではないと主張される可能性がありますので、このような主張を回避することが必要です。
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Q5-4.労働者側の交渉担当者はどのような者が想定されますか。

労働者側の交渉担当者労働者側の担当者は、労組法6条は、「労働組合の代表者」及び「労働組合の委任を受けた者」(例えば、上部団体の役員や、弁護士など)が交渉権限を有すると規定しており、これが、労働者側の交渉担当者です。
実務対応労働組合の上部団体の役員が団体交渉に参加し、従前の団体交渉とは異なる視点で追及してくることがあり、使用者として、その対応に苦慮することがあります。
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Q5-5.団体交渉において、口頭により合意に至った事項について、書面化を拒否することはできますか。

労働協約化の拒否団体交渉で妥結した事項について労働協約化を拒否することは、団交拒否の不当労働行為となります。
逆に言えば、労使間に真の合意が成立していない場合、使用者は、労働協約を拒否することができます。
実務対応労働組合が不当労働行為救済申立てをした場合、労働委員会では、当該団体交渉において、どのような事項が合意に至ったのかを詳細に審理することになります。
そのため、どのような主張立証をするかが重要なポイントになります。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-6.団体交渉当日に持参すべきものを教えてください。

団体交渉当日に持参すべきもの① Position Paper (予想されるQ&A集)
合同労組からの質問は、ある程度予想できます。予想される質問については、使用者としての回答を準備しておくと良いでしょう。
② 就業規則等の規程関係(就業規則、賃金規程等)
団体交渉の中で、就業規則等の解釈が問題となることがあります。あらかじめ準備しておくと良いでしょう。
③ ICレコーダー
④ 名刺
実務対応団体交渉に出席するに当たり重要な点は、当日、想定外の出来事が生じないよう、入念な準備を心がけることです。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-7.団体交渉当日の流れを教えてください。

団体交渉当日の流れ一般的に、初回の団体交渉の流れとしては、次のとおりです。

出席者による自己紹介(名刺交換含む)

組合側の執行委員長による挨拶(ない場合もある)

組合側から団体交渉事項の説明

使用者側による回答

協議

次回期日の調整
実務対応団体交渉に出席するに当たり重要な点は、当日、想定外の出来事が生じないよう、入念な準備を心がけることです。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-8.団体交渉時の交渉のポイントを教えてください。

団体交渉時の交渉のポイント交渉のポイントは、次のとおりです。

①過大な要求には応じないこと
合同労組は、法律上正当な要求をしてくる場合もあれば、過大な要求をしてくる場合もあります。また、使用者にそのような法的な義務がないにもかかわらず、あたかも義務があるかのような主張をしてくる場合もあります。
合同労組の要求について法的観点及び実務的観点から分析した上で、どこまで応じるかを判断し、交渉していくことが必要です。

②闘うと同時に、信頼を得る。
「闘う。」ということと、「信頼を得る。」ということは、一見すると矛盾するようですが、いずれも、非常に重要です。
交渉による紛争解決を図るためには、当事者間の信頼関係に基づくコミュニケーションが必要不可欠といえます。
合同労組であれ、組合員であれ、「一人の人間」ですので、労使関係に関する見解の相違はあれども、「人間同士」の信頼関係を構築するという視点は、どこか頭の中においておいた方が良いです。

③終着駅を探る
合同労組と徹底的に闘うというのも、1つの方法ではあります。しかし、紛争を長期化させるよりも、どこかで妥協点を見出し、紛争を終結させた方が、使用者と合同労組の双方にとって、プラスになることが多いと思います。

④過激な言動を予想しておく
合同労組は、組合員の目の前で交渉を行いますので、過激な言動を行ってくることがあります。
このような過激な言動を事前に予測しておけば、団体交渉の当日に狼狽することがなくなります。
過激な言動に対しては、その程度により、使用者による交渉打ち切り及び途中退室や、警告など柔軟に対応する必要があります。

⑤ 即答する必要はない
 団交の中で、合同労組から質問を受けることがあります。その質問が予想していた内容であれば即答できると思いますが、予想外の場合、即答できない場合があります。このような場合、「事実関係を確認し、追って連絡します。」と回答すれば十分です。不正確な記憶で、不正確なことを発言することは、避けるべきです。
実務対応団体交渉に出席するに当たり重要な点は、当日、想定外の出来事が生じないよう、入念な準備を心がけることです。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-9.第2回以降の団体交渉のポイントを教えてください(その1)。

第2回以降の団体交渉のポイント(その1)⑴ 使用者側の対応の判断基準
使用者としては、合同労組の要求に対して「譲歩しなければならない義務」はありませんが、誠実交渉義務を履行する必要があります。次の裁判例が参考になります。

◇株式会社シムラ事件(東京地判平9・3・27)

《要旨》「使用者は、自己の主張を労働組合が理解し、納得することを目指して、誠意をもって団体交渉に当たらなければならず、労働組合の要求に対し譲歩する余地がなくなったとしても、そこに至る以前においては、労働組合に対し、自己のよって立つ主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示するなどして、誠実に交渉を行う義務があるのであって、使用者には、合意を求める労働組合の努力に対しては、右のような誠実な対応を通じて合意達成の可能性を模索する義務がある。…しかし他方、使用者には、労働組合の要求ないし主張を容れたり、それに対し譲歩をしなければならない義務まではないから、労使双方が当該議題についてそれぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くし、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがない段階に至った場合には、使用者としては誠実交渉義務を尽くしたといえるのであって、使用者は団体交渉を打ち切っても、「正当な理由がなく拒むこと」(労働組合法七条二号)にはあたらない。」「本件につき検討するに、団体交渉の回数及び期間、原告会社の提案内容、相手方説得の努力、交渉の場の内外における態度等は前記のとおりであり、これらの事実に照らせば…いまだ、労使双方がそれぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くしたとはいえないから、…労働組合法七条二号に該当する。」
実務対応

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Q5-10.第2回以降の団体交渉のポイントを教えてください(その2)。

第2回以降の団体交渉のポイント(その2)⑵ 団体交渉を打ち切る判断
団体交渉の回数及び期間、合同労組の提案内容、説得の努力、交渉の場の内外における態度などを勘案して、使用者としては、団体交渉を打ち切るか否かを検討することになります。

⑶ 和解をするための工夫
団体交渉を行っていく中で、和解を模索することが重要です。具体的な方法としては、合同労組、組合員及び使用者が「Win Win」になれるものがないか、を探していくことが重要です。たとえ、Win Winの関係が築けなくても、部分的な共通の利益がないかどうかを探るべきです。あるいは、「組合員として、これだけは譲れない」ものや、「使用者が譲歩したくないもの」に関する意見交換をすることで、「双方が譲歩できる範囲で」和解の見込みが出てくることがあります。
また、このような和解を模索する中で、人間関係や感情が阻害原因となる可能性もありますので、交渉における言葉遣いや表現方法、マナーなどについても、留意すべきです。

⑷ 金銭的解決について
金銭的解決による和解が実現できそうな場合、可能な限り、合同労組から先に提案してもらった方が良いでしょう。理由は、使用者が先に具体的金額を提案すると、金額が吊り上げられる可能性があるからです。
もっとも、合同労組が「金額の提示はしない。」という立場を堅持することがあります。その理由としては、①そもそも、当該事案において、金銭的解決は望まないから(例:どんなにお金を積まれても、これを拒否し、組合員の職場復帰を求めていく場合)、②当該事案とは関係なく、合同労組は「労働者の権利を守る」ためにやっているのであって、「お金のため」に組合活動をしているわけではないから、など様々な理由があります。
いずれにせよ、合同労組は「労働者の権利を守る」というプライドをもって活動している団体ですので(少なくとも、そのような団体であることが多いので)、そのようなプライドを傷つけないように、金銭的和解に持っていく必要があります。そして金銭的和解になった場合、合同労組が一向に提示してこない場合には、使用者側から提案してみることもあり得ます。その場合、「労働訴訟になったら、どのようなことになるか」を踏まえ、一般的な相場の範囲内で提案していくことになります。
実務対応

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Q5-11.第2回以降の団体交渉のポイントを教えてください(その3)。

第2回以降の団体交渉のポイント(その3)。⑸ 書面の交付について
合同労組と交渉を行っても、合同労組が自己の主張ばかりを展開し、使用者の主張を全く聞き入れないことがあります。
また、使用者が合同労組に対して質問を行っても、労働組合が一切これに答えないということもあります。
このような場合、使用者としては、交渉が全く進まないため、書面を交付しておく場合があります。書面を交付することによって、①使用者の主張を書面上行うことができる、②合同労組に対する質問を書面上行うことができる、③上記①及び②に関する証拠を残すことができる、というメリットがあります。
但し、書面を重視するあまり、「面談での団体交渉を行わず、書面だけによる団体交渉を行う」ことになると問題です。書面のみによる団体交渉は一般的には認められていませんので、書面のやり取りは、面談での団体交渉の補完的なものと位置づけてください。
実務対応第2回目以降の団体交渉に出席するに当たり重要な点は、会社の主張をしっかりと行いつつも、合同労組との間で、可能な限り双方の妥協点を見出せないかを模索することです。
その際には、妥協点を見出せた場合とそうでない場合の展開予測を行い、会社にとってのメリットは何かを協議することになります。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-12.最終段階における団体交渉のポイントを教えてください(その1)。

最終段階における団体交渉のポイント(その1)⑴ なぜ、和解合意書・労働協約を作成するのか
一般に、和解合意書には、清算条項を入れます。これにより、後日の紛争の蒸し返しを防止することができます。また、当事者間の話し合いによる解決ですので、時間・手間やコストもかからず、早期かつ柔軟な解決をすることができます。
このような長所がありますで、団交終了時には和解合意書を締結すると良いでしょう。
ただ、和解をする際、使用者は他の従業員(現在の従業員のみならず、過去及び将来の従業員を含みます)への影響を考慮しなければなりません。例えば、未払い残業問題について和解合意書を締結する場合、支払い名目を「未払い残業代」ではなく「解決金」としたり、守秘義務を負う主体を(会社ではなく)従業員と労働組合だけに限定したりするといった対応です。
なお、団体交渉の結果、使用者と労働組合との間で、一定の合意が成立したにもかかわらず、使用者が合理的な理由なくして書面による労働協約を拒否すると、不当労働行為になりますので、注意が必要です(そのため、「どの範囲で合意が成立したのか」または「どの範囲で合意を成立させるのか」を団体交渉時点から注意するべきです)。
⑵ 和解の当事者
①合同労組、従業員(組合員)及び使用者の三者による和解
合同労組の関与する案件では、労働組合、従業員及び使用者の三者による和解が成立することが多いと思います。
②従業員(組合員)と使用者の二者による和解
使用者が、合同労組を通さずして、個別に、従業員(組合員)と直接交渉することは、やめた方が良いです。使用者が、従業員(組合員)に和解のための接触を試みた段階で、ほとんどの場合、合同労組から、クレームがつけられます。
③合同労組と使用者の二者による和解
例えば、個々の従業員(組合員)の雇用終了や個別具体的な賃金など、合同労組の権限外の事項について、使用者が、合同労組とだけ和解をすることはできません。
実務対応

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Q5-13.最終段階における団体交渉のポイントを教えてください(その2)。

最終段階における団体交渉のポイント(その2)⑵ 和解の当事者
①合同労組、従業員(組合員)及び使用者の三者による和解
合同労組の関与する案件では、労働組合、従業員及び使用者の三者による和解が成立することが多いと思います。
②従業員(組合員)と使用者の二者による和解
使用者が、合同労組を通さずして、個別に、従業員(組合員)と直接交渉することは、やめた方が良いです。使用者が、従業員(組合員)に和解のための接触を試みた段階で、ほとんどの場合、合同労組から、クレームがつけられます。
③合同労組と使用者の二者による和解
例えば、個々の従業員(組合員)の雇用終了や個別具体的な賃金など、合同労組の権限外の事項について、使用者が、合同労組とだけ和解をすることはできません。

⑶ 和解合意書の表題及び紛争の内容
①表題について
表題について、法律上の決まりはありません。「和解合意書」、「合意書」、「覚書」など、名称を問いません。
②紛争の内容について
紛争の内容を他の事件との区別できる程度に特定する必要があります。ここで特定された内容が、和解の範囲となりますので、記載内容は慎重に判断する必要があります。

⑷ 雇用の終了
雇用の終了に関しては、例えば、「本件当事者は、平成○年○月○日限り、○と○との間の雇用関係が終了していることを相互に確認する」といった表現が一例です。雇用の終了原因に関し、話し合いにより、自己都合か、会社都合かを記載することもあります。
実務対応団体交渉に出席するに当たり重要な点は、会社として譲歩できる部分と譲歩できない部分を整理した上で、合同労組との間で、可能な限り双方の妥協点を見出せないかを模索することです。
その際には、妥結した場合とそうでない場合のメリットとデメリットを考慮しながら、どのように交渉を進めていくかを協議していきます。
この場合は、多湖・岩田・田村法律事務所に、遠慮なく、ご相談下さい。

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Q5-14.最終段階における団体交渉のポイントを教えてください(その3)。

最終段階における団体交渉のポイント(その3)⑸ 解決金
金銭解決が実現できた場合、具体的な金額と支払い時期を記載します。支払名目は、例えば、「解決金」とすることが考えられます。支払名目によっては、所定の各種控除が変わってくることがありますので、税理士などの専門家に確認すると良いです。
なお、支払い名目及び支払先によっては、賃金直接支払いの原則(労働基準法24条)に反する場合がありますので、注意が必要です。

⑹ 守秘義務
守秘義務条項を入れるか否か、は話し合いにより決めます。
守秘義務条項を入れるとしても、①当事者(全員とするか、合同労組だけとするか、従業員だけとするか、使用者だけとするか、等)、②守秘義務の範囲(和解合意書の存在をも含むとするか、等)、などを合意する必要があります。

⑺ 業務妨害等の禁止に関する義務
誹謗中傷、名誉毀損、信用毀損及び業務妨害にあたるような言動を行わない、といった義務条項を入れるか否か、は話し合いにより決めます。
このような義務は、和解合意書に入れなくても、法律上の義務ですので法的結論において大きく変わるものではありませんが、実務上、あえて入れることも多いです。

⑻ 情宣活動の禁止に関する義務
合同労組による情宣活動(HPやブログ、ビラ等)を禁止する条項を入れるか否か、は話し合いにより決めます。
使用者にとってこのような条項は、重要な意味を持つことが多いので、使用者としてはこの条項の挿入を強く主張すべきです。

⑼ 清算条項
和解合意書を作成する理由は、「紛争の蒸し返しを防止する」のが目的です。したがって、清算条項は必ず入れる必要があります。
なお、清算条項の範囲をどこまで広げるか(逆に、どこまで絞るか)は、「本件に関し」(または「本件紛争に関し」等)の文言の挿入に関連し、当事者の合意により決めます。

⑽ 謝罪文言
合同労組からは謝罪文言の挿入を要求される場合があります。
この点については、「謝罪する」という直接的表現、「遺憾の意を表する」という表現、「今後、労使関係の信頼回復に努める」という表現など、様々な表現方法がありますので、話し合いにより決めます。もちろん、そういった表現を一切入れないという合意もあります。
実務対応

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当事務所では、常時、労働組合対応を行っています。具体的には、労働組合対応を専門的に行っている弁護士田村(弁護士歴約20年)を含む弁護士チームが、100件以上の組合対応経験(2024年現在)に裏打ちされたノウハウを駆使して、依頼者に助言しています。当然、団体交渉への同席も行います。

労働組合対応としては、事務折衝により迅速に解決が図られることもありますが、「情宣活動への対応」が求められることもあります。当事務所では、ご依頼者様に、ご安心いただけるよう、難易度に応じて、労働組合対応を専門的に行っている弁護士が複数のチームを構成することもあります。

労働組合を過度に恐れる必要はありませんが、他方において、油断することも禁物です。個々の案件の性質や規模、労働組合のタイプに応じた、適切な対応を行いますので、ぜひ、初回会議(無料)にて、当事務所が受任させていただいた場合の方針や見通しなどをご確認いただけますと幸いです。

ご連絡お待ちしております。

弁護士田村裕一郎